時計仕掛けの炉端

古ぼけた引き出しを引っ張り出して科学する

悩むな!都内でおすすめの本屋『1選』!!カフェ併設!

私がおすすめしたい本屋さんを紹介する、ただそれだけ。

 

選択肢の誘惑 

選択肢が多すぎるとかえって無気力になりませんか。

特に選択肢のいずれもが良質である場合、ある意味で悪質です。

どれを選んだとしても満足できるはずなのに、

良質なモノ同士ゆえの微妙~な違いに苦しみます。

挙げ句の果てに頭が回らなくなって無気力になる。

「ジャンケンでええな」

「んー明日考えるか」

などと言い出す始末。

決めろ決めろ!決めちまえ!迷っても大差ねーよ!

ただしジャンケンでは決めるな!

切り捨てた選択肢があなたを見ている!

 

という事例が相次ぎ報告されたことを受け動きました。

そりゃ時間がたくさんあれば「どちらも行く」ことができますが

世の中そんなに甘くありません。

不労所得で生きていきたい。ちどみと申します。

 

今回は誰も迷いません。迷わせません。

本屋の中で無限に時間を溶かすことを生業にしている私が

都内ですげーおすすめできる本屋を紹介します。1つだけ!

 

確かに、1つだけだと全ての層を拾い上げることはできません。

もっとニッチで暗い本屋が好きな人、

とにかく本が多い本屋が好きな人、

色んな人がいます。

今回紹介する本屋を選んだ基準は、「万人受け」です。

万人受けがつまらない?とんでもない。

どんなに気を衒ったコンテンツも「王道を理解した上で」生まれるモノ。

万人受けは、無敵なんです。

 

 

本気でおすすめの本屋がこちら 

前置きが長くなりましたが、発表します。

蔦屋家電 二子玉川店です!

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蔦屋家電二子玉川店入り口。立ち込める色気を感じろ。

https://store.tsite.jp/futakotamagawa/

ライフスタイルを買う家電店

家電店やんけ!!!

本屋じゃないって?

行ったことある人はわかる。本屋です。ゴリ押しは美学。

TSUTAYAが本気を出した本屋「蔦屋書店」、その最上級が

蔦屋家電である。僕はそう思っている。

 

「はよ行け」と言いたいところですが、

蔦屋家電の最強具合をだらだら紹介しようと思う。

 

視座が過多である

本屋であり、本屋ではない。それが一番の強みである。

1階入って左手には多ジャンルの雑誌たちが待ち構える。

雑誌の先行きは細いと言われ続けて何年経つか。

しかしWIREDやBRUTUSなどを見ると雑誌の努力が垣間見える。

時には華美に、時には無地に、緊張と緩和の錬金術によって

彩られ積まれた雑誌の美しさに惚れ惚れするね。

中身も侮ることなかれ。

BRUTUS「危険な読書」シリーズに仕組まれた

興奮という名の罠を掻い潜れる人は少ないだろう。

 

右手はというと、コンシェルジュが選んだ自慢の書籍が立ち並ぶ。

コンシェルジュが選んだ本って何か良いよね。

プロが選ぶ「こんな人にオススメできる」本ですよ。

当たり外れが激しく、かつ当たり外れが判明するまでに時間がかかる読書において、

事前情報の重要性は際立つ。好きだなあ。

しかもこのコンシェルジュゾーン、週1ほどのペースでレパートリーが変化する。

この変化は人の好奇心を刺激する爆薬ですよ。あとは読むだけ。

 

爆発を堪えて奥へ進むと流行のビジネス書や文芸書のハードカバーが目立つコーナー。

分かりやすく、手に取りやすい本が立ち並ぶ。

さらに奥まった書棚にはビジネス書・スキル書のみならず、

情報、経済、社会、哲学、歴史、文学、映画、音楽、

性、科学、宗教、料理といった多種多様な分野の書籍が縮こまっている。

これ行った人にしかピンと来ないから是非行って欲しいんだけど

「その分野に精通しているほど興奮できる」本が多いのよ。

これは「網羅」ではなく「直撃」の原理である。

哲学のコーナーに大森荘蔵の入門書があるんだぜ。

ただ科学はちょっと物足りなかったかな。

科学の社会史の配置は高評価だけど。

とにかく量より質。

 

本だけじゃない 家電店だからね

本題はここから。本屋であり本屋ではない所以。

それは家電や料理、音楽に関するアイテムも多数取り扱っている点にある。

平たく言えばヨドバシカメラ。ヨドバシの至るところに本を販売している感じ。

しかもアイテムと本は対応した場所に置いてある。

食器が並ぶ場所には料理本の書棚がある。

コーヒードリッパーがあればコーヒーの本がある。

1冊あれば100冊はあると思え。

Apple製品やイヤホン、カメラが並べば

そこはもうヨドバシカメラないしビックカメラじゃないですか。

最近行ったらリュックや財布、おしゃれな文房具が置いてあった。

公式のお触れ通り、ライフスタイル提案の鬼である。

 

本は読まないと、読まれないと意味がないんですよ。

著者目線ではそうとも限らないかもしれない。

ホリエモンは自分を宣伝するために自著を置いているらしい。

事実あの人の著作1つ読めば他の著作を読む必要はないもんね。

言い回しの違い。実業家のお手本であることに変わりないけど。

 

本との出会い 読者の欲求

でもほとんどの著者は自著を読んで欲しいし、

ほとんどの読者は自分の欲求を本から得て発散しようとしている。

このマッチングが起きないと、何も起きていないのと同義。

ある音楽を語るにはその音楽を聴かないと始まらない。

音楽を語ることって音楽を聴くことに他ならない。

本は読んでこそ、読まれてこそ力を発揮する。そのプロセスが茨の道。

ボタンのかけ違い、表現・ニュアンスの違いで

読まれたり、読まれなかったり、途中で読むのをやめたりする。

普段から読みまくってる人はとにかく、そんなに読まない人からすると

真新しい本との出会いって、欲求であり、認知の壁だ。

本屋に行っても逐一Amazonで本の評判を調べている

そこのあなたに言っていますよ聞いてますか。

普段の生温いルーチンを抜け出し新しい道を開拓しようものなら、

茨のトゲトゲに襲われるに違いない。人間、この認知的不協和にめっぽう弱い。

この茨のトゲをヤスリで研いで「触っても平気」にしたのが、蔦屋家電である。

ライフスタイルの提案。ここに極まれり。

あなたが欲する本はここにある。

 

蔦屋家電は超強力な出会い系サイト。

無数の出会いがあり、出会い同士を紡ぐ舞台すら用意する。

これほど「メディア」として本屋の理念に忠実な場所も少ない。

1選は間違いなく蔦屋家電である。

 

尽きない魅力

ビジネス書コーナー前にはスターバックスもある。

店内で購入した飲み物を買った人だけが席に座れるシステムである。

もちろん購入を検討中の書籍の持ち込みOK。1度に3冊までだったかな。

本に囲まれて飲むコーヒーのおいしさを知って欲しい。

ゆずシトラスティーうまいよな。コーヒーも飲めよ?

 

ちなみに今回触れたのは全て「1階」のことだけ。

蔦屋家電には2階があるのだ。彼らは書籍のジャンルを妥協しないし、

無限のライフスタイルを提案しようと目論んでいる。

とんでもない悪党だ。

これ以上はぜひ行ってみて、目にして欲しい。

インテリアゾーンの奥に隠れたカフェのコーヒーは絶品だし

1階コンシェルジュがまだ本気じゃなかったことが分かるし

旅行に行きたくなるし温泉に行きたくなる。

 

東京都世田谷区に寄った際にはぜひ思い出して足を運んで欲しい。

そこは、世の素晴らしい本を意地でも読ませようとする悪党の巣窟。

気をつけて歩こう。気を緩めば、財布の紐が消える。

 

日本一雑なアクセス紹介

二子玉川駅改札降りて東に数分歩けば見えてくるんで頑張って。